致死率ほぼ100% 脅威!クリプトスポリジウム症
爬虫類飼育者として絶対に頭に入れときたい『クリプトスポリジウム症』
通称はクリプトと呼ばれています。
この病気はレオパやコーンスネークなど一般的な爬虫類からエリマキトカゲなど多種多様の爬虫類に消化器疾患を引き起こします。
ここでは感染してしまった子、疑いのある子の対応など書いていきます。
少しでも参考になれば幸いです。
そもそもクリプトスポリジウム症とは?
・原生動物であり爬虫類だけでなくヒトを含む哺乳類から魚類にいたるまで広く寄生する。
・感染力が強く感染し一匹の個体から同じ室内にいる全ての子に感染する恐れがある。
特にショップから迎えた子はこの点に注意しましょう。
・乾燥や70度以上の高熱に弱いが水道水はもちろん塩素消毒は効きません。
・爬虫類に感染した場合 致死率ほぼ100%
また特効薬も存在しないため感染してしまった場合、その子の体力で持ち直す以外に対策はありません。
感染したどうかの判断
1.尻尾のサイズ
まず誰でも判断が可能であるのは尻尾のサイズ
上記の画像を見て頂ければ分かりますがほぼお腹周りが同じレオパで尻尾はこんなに差が出ます。
もし疑いがある子が同じような細さの尻尾でしたら要注意してください。
ただしベビーは判断が難しいので生後三か月未満の子でしたら餌を与えづづけその後の様子を観察してください。
ちなみにこの段階はかなり病状が進んでおり感染初期の状態では当たり前ですが通常の尻尾となんら変わりはありません。
2.体重減少 嘔吐と下痢
発症初期には食べているのにもかかわらず体重が減少していくのがクリプトの特徴です。
さらに進行すると嘔吐、下痢、食欲不振が見られます。
嘔吐と下痢は健康な個体でも発生する事があるためこの2つだけでは判断は難しいです。
(嘔吐は食べ過ぎ 下痢は我が家でも健康な子が時折することもある)
事前対策 感染した恐れがある子がいたら…
まずクリプトは風邪ではない、そのため感染経路はある程度予測可能です。
新しく家に迎えた子が実はクリプトを持っており、その子から他の子の感染してしまった…という事がもっとも危険でありポピュラーです。
1.新しく迎える子は要チェック
最大の感染経路はここです。
新しく迎える子は以下の事を確認すると安心できます。
・信頼できるショップで購入する。
⇒今のご時世は調べる事は可能です、事前に購入するショップを調べてそのお店の詳細を調べましょう。
もし口コミで疑う要因ががあれば注意しましょう。
・その子の様子をチェックする。
⇒前述で書いた通り尻尾が細くないか、背骨が浮き出ていないか
普段何を食べているか 等しっかり確認しましょう。
善良なショップなら聞いたことに誠意をもって対応してくれます。
また多くのショップはハンドリングをさせてくれるので一度手に乗せてみて動きが余りにも緩慢、元気がないなど見てみましょう。
・迎えた後しばらく様子見。
⇒いざ迎えた後は数週間は異変がないか様子を見ましょう、ここで気を付けるのは
便に触れたピンセットで他の子に給仕などで接触しない。
クリプトの感染経路は感染した個体の便から広がります!
・便を採取して病院で調べてもらう。
⇒これが1番安心であり1番手間とお金がかかります。
クリプトは検便で判断が可能なので病院で診てもらえれば判断が可能です。
2.事前の対策
・体重測定
⇒体重の急激な増減は爬虫類の健康を確認できる数少ない方法です。
我が家でも一ヶ月に一回、全員の体重測定を実施してます。
なかなかの労力ですがそれでも背は腹に変えられません。
思い当たる理由がない体重の急激な減少(-5g)以上だった場合は要注意です!
・日頃からの食事、清掃
⇒日頃から食べていない子は当然体力が少なくなります、特にベビーの時からしっかり食べていないと体が小さいまま大きくなってしまいます。
また便なども一週間でそこそこ溜まりますので定期的な清掃もクリプトのリスクを下げることに繋がります。
いかがでしたでしょうか?
クリプトは確かに恐るべき感染症ですが対策と感染を広げない知識があれば大幅にリスクを下げることもできます。
爬虫類界でクリプトは過去に爆発的に増えたことがありましたが今は沈静化しています。
再び訪れないように私を含め飼育者の意識が大事だと思います!
では、よい爬虫類ライフを!
レオパの拒食 我が家の実例と対応
レオパの拒食
レオパの飼育者は1度は気にする事であり、このブログを読んでいる方は「うちの子が拒食になったかも…」と心配なされて見に来て頂いてる方もいると思います。
ですがまずは深呼吸
レオパの拒食は多くの原因がありますが大事に至るのは多くはありません
フローチャート式で一例と対応を書いていきます。
画像の白雪ちゃんが拒食になったときはミルワームを切って体液を舐めさせ、次はミルワームをあげると食べるようになりました。
1.レオパのサイズ
まず拒食になった(可能性のある)子のサイズを見てください
緊急度は当然ベビーが高リスクでありアダルトサイズはそもそも拒食なっても大事に至ることはありません。
特に秋、冬明けなど気温が変わる季節は食が減ったり食べなくなることは珍しくありません。
アダルトは特にムラがあり尻尾のサイズがある程度あれば一ヶ月食べてく手も問題はありません。
生まれたてのベビーも三日以上食べなくても問題はありません、実際私は生まれたベビーが三日以上食べませんでしたがその子は今も元気です。
ただし注意点が一つ、ヤング~アダルトサイズで
『尻尾が極点に短い場合』
これは爬虫類にとって超危険である寄生虫『クリプトスポリジウム症』の恐れがあります、こちらの別記事をご参考ください。
⇒『致死率ほぼ100% 脅威!クリプトスポリジウム症』
2.単純に餌に飽きました
「食べていて急に食べなくなった!」パターンは前述の気分が乗らないだけか単純に餌に飽きましたかのこの2パターンがほとんどです。
特に同じ人口餌、活餌はあげてません の方でしたらこちらの可能性が高いです。
レオパの挙動としては餌を入れると一瞬反応しますがプイっと無視する様子が見れたら我が家では餌をチェンジします。
大体これで食べてくれます。
我が家では
人口餌はレオパゲル、乾燥コオロギ、レオパブレンドなど
多くの餌を用意してます。
それはなぜ?簡単な話ですが我々人間も好きなものにしても毎日食べれば飽きます。
人間と違うのは爬虫類は「腹減ったな~仕方ない 飽きたけどこの飯食べるか」とはほとんどならず
「なら食わねえ」と身を削っても譲りません。
いつも同じ活餌のみでしたら違う活虫や人口餌など
人口餌のみでしたら活餌を
活餌に抵抗のある方もいると思いますが可愛い我が子のために背は腹に変えられない気持ちで頑張ってください。
やはり生きた餌の喰いは全然違います。
3.餌が見えない
アルビノやマックススノーなど視力の弱い子、生まれたてのベビーで常に目を瞑っている。
または餌を見せても気づいていない様子の子でしたらこの可能性が高いです。
我が家ではどちらのパターンも経験があります。
目を開かない、弱視の場合だと
数を覚えて活餌を入れ周りを暗くする、次の日に確認して活餌が減っていればOK
これで生まれて全く餌を食べず目を閉じ続けていた子がベビーが爆食になり目も開き、今も元気に過ごしてます。
完全に見えていない子
完全に見えていない子は善良なショップで販売されることはなく自宅でハッチした子が…というパターンが多いと思います。
正直その子を育てるのは根気が入ります。
餌を口先に近づけて食べてくれる子でしたら問題はありませんがそれも簡単な話ではないのです。
グラブパイや活餌を切ってその体液を口元に塗って食べさせる、しかしこれで得られるエネルギーは少量なのでほぼ毎日同じことをしなければなりません。
それが習慣づけされれば口元に近づけて物を餌と理解して食べるようになるかもしれません。
4.環境の変化
まず拒食した子は迎えてどれぐらい経つでしょうか?
また環境レイアウトを変更しましたか?
特にお迎え当初は「え、ショップでは食べてるって…」と色々心配してしまうかもしれませんが環境が大きく変わった時はほとんど食べないのが普通だと思ってます。
一般的なケースにシェルターを用意してパネヒを準備してあとはしばらく放置←大体これでOKです。
迎えて次の日から少しずつ少しずつ試していけば問題ありません。
環境を大きく変えた場合も同じです、とにかく放置 これに尽きます。
温度や湿度が足りない場合も同じく食べない場合は多いですが取り合えずパネヒさえひいてれば温度は足ります(真冬の北海道や寒い地方は別)
湿度もシェルターと一緒に使えるタイプを使用すれば問題ありません。
一番いけないのが神経質になりすぎて頻繁にレイアウトを変えたり生体を見続けて余計なストレスを与えることです。
いかがでしたでしょうか?
拒食の疑いを感じたら
・温度、湿度か適してるかどうか確認、その後は下手に触らない
・餌を変える
・尻尾は極端に細くないか
・餌を見た反応はどうか
初心者は特に焦ってしまいますがどっしりと構えて神経質になりすぎず原因を究明しましょう。
しかし体の中に関する寄生虫や卵詰まりは病院ではなければ手出しできません、いずれの疑いを感じたら手遅れになる前に病院に通院しましょう。
⇒『身近な怪我や病気』
では、よい爬虫類ライフを!